1.はじめに
昨今、終活という言葉が定着してきたと感じることがあります。ポピュラーになった終活の一環に遺影写真の準備を考える方も多いのではないでしょうか?いざ準備を考えた時、様々な疑問を感じる事も少なくないでしょう。また、急死した身内の遺影写真をお手持ちの写真から探されるケースもあるかと存じます。
「遺影写真って険しい表情をした真正面を向いたアップの写真じゃなきゃダメ?」
「遺影写真って実際どのくらいのサイズなの?」
「スマホに入ってる写真から遺影って作れるの?」
今回は遺影写真のあれこれについて解説いたします!
2.遺影写真には決まりがあるの?
結論から言うと、遺影写真には決まりはありません。
特に宗教的なものではなく、一説によると江戸時代に有名な役者などが亡くなった際に死絵(浮世絵)を描いて販売したのが起源とのこと。その後戦時中に戦死した方を思い起すために似顔絵を添えるようになり、写真技術が発展して一般にも広がった様です。それまでは故人の生前の姿を残す風習はなかったんですね。なので絶対にやってはいけない宗教的な決まりはないのです。一般的なマナーとモラルがあれば実はなんでもいいんです。
遺影写真をイメージすると正面を向いた証明写真のようなものをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、近年は自分らしさに重きを置いて選ばれる方が増えています。真正面でなく少し斜めを向いていても良いし、笑顔の写真も素敵です。普段から人を笑わせるようなお茶目な方なら変顔でも良いのかもしれません。
一般マナーやモラルの観点から気を付けるべき点とすれば、
ご本人にピントがあっていること
視線がこちらを向いていること
故人のみの写真で他の方の映り込みがないこと
故人のお顔がわかる程度にアップの写真であること
古すぎない、0~5年程度の近年の写真であること
背景がごちゃごちゃしていないこと
などです。
遺影写真は故人の生前の姿を思い返すためのもので、葬儀やお通夜の参列者がお別れを偲ぶ場に飾るものです。明るく綺麗で優しい気持ちになれるものをイメージすると良いでしょう。
遺影写真の実際の写真サイズは?
遺影のサイズは一般的に2サイズあり、祭壇用(四つ切、A4)と焼香台・仏壇用(L判、2Lサイズ)です。
祭壇用は葬儀の際に中央に設置する遺影写真で、会場の後方の参列者にもお顔が見えるように大きめに。仏壇用は葬儀後にご自宅の仏壇に飾る家庭内での用途なので大きい必要はありません。
では、元となる写真はなんでも良いのか?
突然の不幸で写真の準備がない、集合写真しかないなど前途にあてはまるような故人の写真がない場合は加工・合成をする事が多いです。故人以外を切り抜いたり明るさを調節したり、背景処理なども行います。
個人でもスマホアプリで写真編集をすることは可能ですがあまりお勧めはできません。なぜなら画質が低くなりがちで、A4などの大きいサイズにプリントアウトした際にノイズが入ってしまうからです。せっかくの遺影がガビガビ…そんなことにならないように編集は専門店や葬儀会社に相談すると良いでしょう。また、元となる写真・データのサイズも綺麗で大きいに越したことはありません。高画質で明るく良い表情の写真が手元に1枚あると良いですね。
3.額縁は黒じゃなきゃダメ?
さて、お写真の準備ができたら次は額縁の準備です。こちらも結論から。黒じゃなくてもOKです。
額縁中央の黒のリボンもなくてもOKです。木目調のナチュラルなフレームや、故人の好きだった色。メタルフレームや貝殻をあしらったものなどその人らしさ重視で良いのです。自分らしさを詰め込んだ自作のフォトフレームを用意するのもアリですね。額縁にリボンやドライフラワーなどをあしらうのもおしゃれな飾り方です。L判や2Lサイズの額縁は多く流通しておりネットや100円均一などでも簡単に手に入ります。
注意点としては写真の置き場所です。仏壇の中や仏壇の真上に置く事は失礼な行為とされます。また、宗派によって決まりがある場合がありますので事前に確認するのがよいでしょう。置き場所は仏壇の中を避けた上で仏壇のまわりや、リビングや玄関などが良さそうです。厳粛な扱いにしてしまいがちですが本来の目的は故人を偲ぶためなので人目がある場所に置くことを意識して、明るくおしゃれに「置く」のではなく「飾る」ようにするとよいでしょう。故人の雰囲気や、お部屋の雰囲気にあわせた額縁を選ぶのがおしゃれに飾るコツです。また、フレームを置き型にするのではなく壁掛けにすることでスペースを取らず、部屋になじませることができるのでこちらもオススメです。遺影と一緒にお好きだった植物や模型、趣味のグッズを添えると明るくなじむのではないでしょうか。
4.使用した遺影写真はいつどうやって処分する?
遺影写真って処分していいものなのか?
遺影写真は処分してもよいです。
先にも申し上げましたが、遺影写真に宗教的な意味はありません。しかしながら気が引けるという方もいらっしゃるかと思います。その場合は、葬儀会社に依頼をしたり、お寺や神社にてお焚き上げをして供養してもらうのはいかがでしょうか。タイミングは四十九日に合わせて依頼されるケースが多いようです。
もちろん処分せずにそのまま飾っていても良いです。デジタルデータ化をさせれば場所をとらずいつでも見返すこともできます。合わせて額縁をデジタルフォトフレームにしておくのも良いかもしれません。
5.まとめ
意外と考えることの多い遺影写真。突然亡くなった故人の写真を、気持ちを落ち着かせながら探して選ぶことは残された家族にとっては辛いものかもしれません。また適した写真がなければ加工をしたり時間と費用もかかるのも事実。近年の写真がないと見た目の違和感も否めません。5年ごとを目途に遺影にも使える写真を撮影しておくことが理想的です。
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